基本のポーズ⑥チャイルドポーズ

 ヨガを行う上で大切なポーズ(アーサナ)の中で、基本となる代表的なもののポイント、注意事項をまとめてみるシリーズの第6弾、チャイルドポーズです。

6月に入り、なんだかジメジメ蒸し暑く、いよいよ梅雨の到来です。
この湿気が増える時期特有の体調不良でよく聞くのが、めまいやむくみ、頭痛、重だるくやる気が出ない、あとは食欲不振や下痢など胃腸のトラブル。
東洋医学では「湿邪」と言われ、脾(胃・消化吸収力)が弱まる時期と言われ、気・血・水の流れを整えるといいそうです。
ヨガで呼吸とともにゆっくり身体を動かしながら、内側から巡りを良くしていくのもいいかもしれませんね。

さて「チャイルドポーズ」についてのお話を少し。

「チャイルドポーズ」はヨガの代表的な休息のポーズです。
アーサナの間に必ずと言っていいほど入ってくるお休みのポーズ。ポーズと呼べるのか?と思われる方もいらっしゃる位、簡単に見えますが散らかった脳がスッキリ片付くようになぜかとても落ち着く。その秘密を解剖学的に見ていきましょう。

チャイルドのポーズのポイント

  1. 額を床(重ねた手の上)に置く(脳が静まる)
  2. 背中で呼吸をする(背骨が潤う)
  3. 骨盤を重力に委ねる

1,額を床(重ねた手の上)に置く(脳が静まる)

私たちは横になってスマホを見ている時間を休息だと思っています。
けれど、現代を生きる私たちの脳はスマホからの情報や明日の予定などを次々と考え続け、過活動に陥っています。脳は休めてないんですね。

 それがチャイルドポーズで、額を床に預けた瞬間、スイッチを切り替えるように加熱していた脳の電気信号が静かにスローダウンしていく。これが脳をリセットする秘密です。
私たちの脳の前側には前頭葉と言って、未来の計画を立てたり過去の出来事を分析したりする思考の司令塔があります。それが視界をシャットアウトして、額の表面にある圧力を感じるセンサー「触圧覚受容器」で床の心地良い圧力を感じることで、脳の奥へダイレクトに「もう外側を警戒しなくても安心していいんだよ」という信号を送るのです。

 さて、この時おでこのどこを床につけていますか?
もし髪の生え際や眉間にギュッと力が入ってしまっているようでしたら、まだ脳の緊張が抜けていない証拠。少し顎を引いて眉間より指1本分上を優しく床に置いてみて下さい。そこに安心して自分の体重を1mmずつ乗せていく。そうすることで脳は安心して頑張って灯していた明かりをゆっくり落としていく事ができます。

2,背中で呼吸をする(背骨が潤う)

 額が支えられ、脳が休まると次に動き出すのが呼吸です。
太ももでお腹を優しく触れることで、息が背中側に広がっていきます。
肩や腰は私たちを守ろうと力が入り、固くこわばりがちなところですよね。普段あまり意識されることのない背中側の肋骨が内側からドーム状にふんわりふくらみ、呼吸の度にさらに深く押し広げられていきます。

 もしお尻がカカトに付かなかったり、ヒザを曲げると痛みがある方も全く問題ありません。今は背中が緊張しているだけなのでクッションや毛布を使って抱えたり、お尻の下に敷いたりして安心して休めるようにするといいですよ。

 背中の緊張が取れ、呼吸が深まると神経の通り道が優しくストレッチされ、脳から背骨を通る脳脊髄液と呼ばれる、脳や神経を衝撃から守り栄養を運び不要なものを洗い流す液体の巡りが劇的に良くなります。脳から首、背中から腰へ普段緊張で狭められていた水路が優しく開かれ、滑らかに骨盤へ流れ落ちていきます。

 この時、腰や首の後ろにつまり感がある場合、奥歯の噛み締めを緩めてみましょう。上の歯と下の歯の間をほんの少しだけ隙間を作り、舌の力を抜きぽかんとします。アゴの緊張は首の後ろや仙骨にまで繋がっているので、奥歯がほどけるとふっと背骨一つ一つの間隔が広がり、さらに脊髄の通り道が骨盤へ向けて開かれていくでしょう。

3,骨盤を重力に委ねる

 骨盤へ流れ落ちた脳脊髄液は、骨盤を重力に委ね力が抜けることにより骨盤の奥が柔らかく広がり、太ももに優しく乗せたお腹にも腹圧がかかり、後でこのポーズを解いた瞬間新鮮な血液が一気に全身に広がることになります。ただリラックスして骨盤に安心して身を委ねることで、かえって内側から新しいエネルギーが満ちていく。


 チャイルドポーズというたった一つのポーズの中で、バラバラに緊張し孤立していた脳・背中・骨盤という一つ一つの体の部分が全てつながり、私たちを支えてくれています。これは解剖学では運動連鎖(キネティックチェーン)と呼ばれ、調和しながら自らを癒す私たちの身体が持っている本来の機能です。

 50代以上の方にとっては特に、ヨガは身体の柔らかさや難しいポーズを求めるものではありません。レッスンで先生が教えるものではなく、ただそこにある自分自身を感じ取り、その意味を見つけていくものです。

わずか数分のチャイルドポーズから起き上がった後のあなたの呼吸は驚くほどゆったりとしていて、静まり返った脳の奥から指先まで新しい血液が流れるのを感じていると思います。
身体で確かめたことが自分の真実です。


もしどこかに痛みや不調があるなら、それは外側の世界で生きるためにバランスをとろうと頑張り続けてきた証。どうぞそこに気づいて優しく寄り添ってあげましょう。
そしてありがとうの言葉をかけてあげたり、ご褒美にチャイルドポーズをするのもいいかもしれませんね。


これからも思いつくままブログを更新していきますのでまた来て下さい。

つれづれなるままに・・・

ツナガルYOGAは、西東京を中心に活動しています。 パーソナルトレーニングの他にヨガのグループレッスンなどご希望の場所へ出張も承ります。初回は無料ですのでお気軽に試してみませんか?

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